【2021/10月号】村田編集長の『浄土』編集前記

鑽仰会の生みの親、真野正順師とはどんな方だったのか

真野正順師

巻頭はWebの「じょーどへの道」でおなじみ、当会デジタル編集部員の赤坂明翔師の真野正順師のアーカイブ、「『きたれ、光の中へ』真野正順を語る」。

真野師は当会の産みの親。東京芝の天光院の住職だった。天光院には明治時代に養子として入ったが、当時のことを振りかえり、東京で口減らしとして養子に出された最後の子、と綴っている。口減らしはもはや死語だが、お寺の歴史を振り返ると、農家の口減らしでお寺に預けられて子が優秀で、紆余曲折しながらも住職になることは珍しくなかった。

その正順師も養子をとった。真野龍海前清浄華院台下で、当会の会長を長く勤めていただいた。その龍海台下の娘さんとお孫さんに当たる現住職に今号では多大なるご協力をいただいた。『浄土』誌面の写真を見れば、わかる方にはわかってもらえる写真が掲載できた。ご相談に伺わせていただいた折に綺麗に保存されているアルバム2冊を拝見させていただき、赤坂師と共に大感激。ご好意により写真も掲載させていただいている。

学生アンケートの興味深い結果とは

昭和10年のアーカイブから今に時を戻すのは「寺々刻々」。NHKのクローズアップ現代でも僧侶・ジャーナリストとして登場した鵜飼秀徳師の連載は、若者の墓の意識調査。師は浄土宗関係の大学と一般大学で教壇に立っているが、一般大学の学生のアンケートに絞って記事を書いている。興味深い結果が出ている。

学生は墓地についてどう感じているのか

お寺の情報管理を学ぼう

 新連載は「あなたもお寺のCIO(最高情報責任者)」。このWeb版『じょーど』を作成、運営管理してくれている小路竜嗣師のページだ。IT時代に突入している中で、お寺に必要な情報管理の仕方をわかりやすく説明してくれている。ちなみに小路師も当会のデジタル編集部員。

法然上人を漫画にするなら誰に書いてもらいたい?

 もう一人のデジタル編集部員(全3人)である服部祐淳師に活躍いただいているのが、「ぶつぶつ放談」。青年僧を対象にしたページで、今号は仏教✖️マンガの最終回。記事中、法然上人を漫画にするとしたらどんな漫画家が良いかという件が。生涯を通せば、ひとところに留まる時間が長かった法然上人、他の宗派の祖師に比べると圧倒的に活動範囲は狭い。

 世界中にマンガが広がっている中、ぜひ法然上人のマンガを! と思うのだが、誰に書いてもらうのがいいのだろう。この記事をお読みの方にも案をいただけると嬉しい。

他にも

 このほか、佐藤良純師の「インド紀行」はコーサンビー城、「微風吸動」は石田一裕師が東京五輪について、森清艦氏の「街道探訪」は東海道の難所、鈴鹿峠。そして好評連載のぐんじまんさんの「マンガ浄土宗のお祖師さま 良忠上人」、石丸晶子先生の「式子内親王遺文」、三宅政吉氏の「古物漂流」と読み応え十分です。

この記事を書いた人

村田洋一

Webサイト「じょーど」&月刊誌「浄土」編集長
令和3年に63歳を迎えた増上寺の塔頭寺院の住職です。
もともとサラリーマンの家庭に生まれ、社会人になってから親戚のお寺を継ぎました。
12年間男性月刊誌の編集部で雑誌作りの仕事をしていました。
退職後お寺に専念しますが、お寺関連の編集や出版に携わり続けています。
高齢者の仲間入りをしても好奇心旺盛なお坊さんです。