【2024/9月号】村田編集長の『浄土』編集前記【NO.986】

【完全自力と完全他力】

当会は毎年6月に公開講演会を主催していますが、今年は「ブッダの教えと浄土思想」の題で佐々木閑先生にお話しいただきました。先生のご要望で講演時間は休憩なしの2時間、その冒頭の今回の講演の概略解説で、

《釈迦の仏教は「完全自力」、阿弥陀様のお救いは「完全他力」。この自力と他力は水と油、全くすり合わせようのないものが、同じ仏教の中に両立しているというのは非常に不思議ですが、その両方が一体どういう点でつながってくるのか》

と一気に聴衆が惹きつけられました。た。講演録を少々長い連載でお届けしますので、ご期待ください。

【浄土宗の大学と高校】

吉田淳雄先生の現代浄土宗の歴史が十一回目を迎え、浄土宗の僧侶養成や教育制度についてお書きいただき始めました。浄土宗に限らず、仏教諸宗派には僧侶養成を目的にした専門の教育機関があり、現在はそれが大学になっています。高校や大学に入ってみたら、なにやらお線香の匂いがするぞ、と感じた方も多くいらっしゃることだと思います。ちなみに浄土宗は、京都の佛教大学と東京の大正大学、そして高校もたくさんあります。

【創作四字熟語】

浄土掲示板でユニークな新四字熟語を紹介しています。作者は技術の進歩で様変わりしている速記界に新たな息吹を吹き込み続けている中根速記の中根康雄さんです。中根速記さんは大正時代に創業された業界のトップリーダーです。この業界を引っ張っている中根さんは24時間頭、速記界の明日とともに駄洒落や創作熟語に頭をフル回転させています。その魅力をお伝えするタテ3分の1の記事です。 

この記事を書いた人

村田洋一

Webサイト「じょーど」&月刊誌「浄土」編集長
令和3年に63歳を迎えた増上寺の塔頭寺院の住職です。
もともとサラリーマンの家庭に生まれ、社会人になってから親戚のお寺を継ぎました。
12年間男性月刊誌の編集部で雑誌作りの仕事をしていました。
退職後お寺に専念しますが、お寺関連の編集や出版に携わり続けています。
高齢者の仲間入りをしても好奇心旺盛なお坊さんです。