【2024/10月号】村田編集長の『浄土』編集前記【NO.987】

【死後の世界観】

帯津良一先生の連載で、有名人の死後の世界観が紹介されています。死後があったほうがよいのか、死後はないほうがよいのか。西方極楽浄土の存在があってこその浄土宗ですが、浄土宗や宗教に無縁の人たちの死後観はとても興味深いものでした。なお、帯津先生は、例外なく安堵の表情に変わる死に顔を通してあの世を確信され、この世とあの世を合せたホリスティック医学を推奨されています。

【お布施とキャッシュレス】

毎号、お寺に関わる社会変化を届けていただいている鵜飼秀徳師の「寺々刻々」の今回のテーマはキャッシュレス。世界の中では日本はキャッシュレスが遅れているものの、最近は「現金使えません」が急増しています。そうした中、お寺や神社にも押し寄せるキャッシュレスですが、今までの現金主義を現金文化という形で残すキーパーソンは寺社仏閣しかないようです。

【通巻1000号】

昭和10年5月に創刊された本誌が、再来年の令和8年1月号で通巻1000号を迎えます。創刊から89年という年月が経っていますが、戦前戦後の物資不足の中でも紙媒体を出し続けたからこそ、たどり着ける通巻1000号。そして時は流れ、いまや若い人に限らず、人々が手にするのは紙媒体ではなくスマホやタブレット。『浄土』<「じょーど」から『浄土』≪「じょーど」へ。

この記事を書いた人

村田洋一

Webサイト「じょーど」&月刊誌「浄土」編集長
令和3年に63歳を迎えた増上寺の塔頭寺院の住職です。
もともとサラリーマンの家庭に生まれ、社会人になってから親戚のお寺を継ぎました。
12年間男性月刊誌の編集部で雑誌作りの仕事をしていました。
退職後お寺に専念しますが、お寺関連の編集や出版に携わり続けています。
高齢者の仲間入りをしても好奇心旺盛なお坊さんです。