育児と浄土のあいだで#4

赤坂めーしょー

「念仏を称える暇もない!」……そんな人にこそ、読んでほしい。

仕事と育児の両立に挑む浄土宗僧侶による、体当たりの連載企画。慌ただしい日常が、浄土の教えによってどう変わるのか。理想と現実の間を右往左往する日々を綴った、リアルな”奮闘記”が始まります。


著者プロフィール

赤坂めーしょー

1990年5月21日生まれ。福島県伊達郡桑折町出身。大正大学大学院(浄土学)修士課程修了。近代浄土宗に興味を持ち、現在は東京の寺院で研究出版業務に従事し、法然上人鑽仰会の編集部にも携わっている。2023年の誕生日に結婚。2024年7月に長男が誕生。2DKのアパートで共働きをしながら、一児の父として、また浄土宗僧侶として、日々「牛歩前進」を続けている。


エピソード4 長男と声 

今年は手足口病(口の中や、手足に水疱を伴う複数の発疹が出る感染症)が全国的に流行しました。子供を中心に主に夏に多い病気です。

うちの長男も2度ほどかかりました。熱はすぐにさがり手足の発疹も小さいものがポツポツという感じで、軽症な方で助かりました(私にも移りましたが同じく軽症)。ただ、発疹が口の中にも出来たので、これが大変でした。

赤ちゃんの頃は泣くことしか出来ませんが、発語が進み、ここ数か月で「痛い」も言えるようになりました。ただ本当に痛がっているのか、分からない場面も多かったです。

それが、夜中に「くちいたい」と言って泣いていたため、翌日病院に行くと口の中に発疹が出来ており、医師からはおそらく手足口病だと言われました。

口に食べ物を入れると「いたい」と言って、なかなか食事も進まず困りました。冷たい豆腐そうめんは食べることが出来たので助かりました。それから徐々にまた食べられるようになりましたが、手足口病によって食べたくない物が増えたような気がします、、。

明確に「痛い」と言われると、親としては、なんとかしたいという気持ちにかられました。意思の疎通が出来るようになってきたので、ケガや病気など心配ごとが増えたような感覚です。ただ言葉にしなければ分からないことも多いので、言葉を発することのできる〝有難さ″と〝大切さ″を改めて感じました。

浄土宗は「声」の宗教です。想いを「南無阿弥陀仏」の声に乗せることが大切です。けれど、どうしても声に出せない忙しい状況や病気等によって体が不自由で声が出せない場合は、心の中念じる声を阿弥陀さまは聞き取ってくれます。有難いことですね。共生合掌。

この記事を書いた人

赤坂 めーしょー

1990年/福島県伊達郡桑折町生まれ。
大正大学大学院修士課程(浄土学)修了。
福島教区中央組無能寺の弟子。開山は無能上人。
創刊当初の雑誌『浄土』に関心を持つ。
ラーメン好き。ヒラメクカエル。