こんにちは。法然上人鑽仰会WEB編集部の小路です。
コロナ禍以降、除夜の鐘をインターネット上で配信する寺院が増えました。私は個人的に除夜の鐘を配信される寺院をまとめていて今年は北は北海道から南はハワイまで合計27ケ寺の配信が確認できました(配信寺院まとめ)
それでは今回の除夜の鐘配信に振り返ってみましょう!第一位はなんと”あのお寺”
浄土宗総本山知恩院が圧巻の1位に!
順位 | 寺院名 | 同時視聴者数 (およそ) |
---|---|---|
1 | 知恩院 | 9,400人 |
2 | 築地本願寺 | 600人 |
3 | 延暦寺 | 500人 |
リアルタイム視聴者数9400人で知恩院が圧巻の1位!
これは特徴的な鐘撞きそのものの魅力もさることながら、複数カメラの切替や高音質マイクを用いて、視聴者を飽きさせない、”ずっと見ていられる”工夫をされた配信担当の皆さまの努力によるものと感じます。
知恩院はコロナ禍前からYouTube配信やツイッターなどを積極的に活用されてきました。今回の除夜の鐘配信ではその地道な布教活動の賜物といえます。コメントやSNSを見てみると日本はもとより、台湾、タイ、アメリカ、スウェーデンなど世界中の方が固唾を呑んで見守っていました。さらにYouTubeの『スーパーチャット』、いわゆる”投げ銭”機能を使って、世界中からお賽銭が集まる全世界規模の除夜の鐘に。
ツイッターの反応
自ら配信することで知見が貯まる
興味深いのはこういった情報発信を”中の人”、僧侶自身が行われていることです。大規模寺院の場合、専門業者を雇い、委託して配信を行うことが一般的です。が、知恩院は僧侶自身が設営・撮影・編集の全てに携わってきたことで、知見がどんどん溜まっていき、コロナ禍においても新たなチャレンジを積極的に行われています。総本山が自ら撮影し、自ら発信する姿は全国の浄土宗寺院にとっても良い影響を与えてくれたと感じています。
配信寺院数も浄土宗がトップ
また、配信寺院の宗派を比較すると浄土宗が最も多かったです。これには先述の総本山知恩院の積極的な情報発信の影響も大きいと思います。ちなみに配信最北端は札幌市新善光寺、最南端はハワイ浄土院と偶然にも浄土宗だったのも象徴的でした。
順位 | 宗派 | 寺院数 |
---|---|---|
1 | 浄土宗 | 7 |
2 | 浄土真宗本願寺派 | 6 |
3 | 臨済宗 | 4 |
4 | 真言宗 | 4 |
5 | 曹洞宗 | 2 |
6 | 天台宗 | 1 |
6 | 日蓮宗 | 1 |
6 | 浄土宗西山派 | 1 |
6 | 華厳宗 | 1 |
合計 | 27 |
興味深い配信も
東大寺はニコニコ動画配信
東大寺はニコニコ動画で24時間365日、大仏様を【リモート参拝】と題して、リアルタイム配信(今も!)を行っています。※ニコニコ動画は同時視聴数が表示されないため、ランク外とさせていただきました。大仏様を世界中の人が24時間365日拝めるのは素晴らしい取り組みですね。
延暦寺では追難式も
比叡山延暦寺では、炎の前で煩悩を表す鬼たちを追い払う儀式「追難式」の中継を解説付きで行われていました。なかなかみることができない特別な儀式を拝見できるのありがたいです。
除夜の鐘はメディアの移り変わりを表す
除夜の鐘は昭和初期、ラジオ放送から全国に広まりました。主要メディアがラジオからテレビに変わった後はNHK「ゆく年くる年」に。そして、主要メディアがテレビからWEBに移行している今、各地で除夜の鐘配信が広まっているのもあながち意外ではないかもしれません。

お寺にいると他のお寺の除夜の鐘を見に行く機会がないので、各地で除夜の鐘配信が見れて、とても勉強になりました。