育児と浄土のあいだで#5

赤坂めーしょー

「念仏を称える暇もない!」……そんな人にこそ、読んでほしい。

仕事と育児の両立に挑む浄土宗僧侶による、体当たりの連載企画。慌ただしい日常が、浄土の教えによってどう変わるのか。理想と現実の間を右往左往する日々を綴った、リアルな”奮闘記”が始まります。


著者プロフィール

赤坂めーしょー

1990年5月21日生まれ。福島県伊達郡桑折町出身。大正大学大学院(浄土学)修士課程修了。近代浄土宗に興味を持ち、現在は東京の寺院で研究出版業務に従事し、法然上人鑽仰会の編集部にも携わっている。2023年の誕生日に結婚。2024年7月に長男が誕生。2DKのアパートで共働きをしながら、一児の父として、また浄土宗僧侶として、日々「牛歩前進」を続けている。


エピソード5 長男とぺりっ

今、子供に人気の〝シール″。我が家の長男も例外ではなくシールが大好きです。

小さい頃から手先を使って遊ぶのが好きで、特にシールを貼るが楽しいみたいです。つまり、我が家はシールだらけで、壁や床やマットに冷蔵庫に至るところ貼りたい放題です(笑) ええ、賃貸です(泣)

楽しそうに遊んでいる姿を見ると、ついついかさばらない消耗品だからと買ってしまう親心であります。動物や恐竜、はたらく車、ちいかわ、赤ベコなど。

ただ、シールと言っても色々ありまして、剥がしやすいものから、剥がすのに苦労するものもあります。剥がしにくいものだと親泣かせであり、加えて子供泣かせだったりします。

どういうことかと言いますと、親は貼られすぎたシールはきちんと剥がしてまた使えるよう保管し、汚くなれば処分します。なので剥がしやすいものは有難いのです。そして、長男も貼るだけではなく、シールを時々剥がしたりします(何故?せっかく貼ったのに)。ですが、くっついて剝がれなかったりすると、「とれない」「とって」と泣きます!!剥がしたくて泣きます!!!!

また綺麗に剥がせずに、無慚にも千切れてバラバラ・ぐちゃぐちゃになったシールは、たまに自分で「もみ!(ゴミ)」と言ってゴミ箱に捨てます。偉いような、可哀そうな。

そんなわけでシールが大好きな長男なのですが、いつごろか、ペットボトルのラベルを剥がせることに気づきました。点線に沿って「ぺりぺりぺり」と音を立てて剥がす手応えにハマってしまい。

「ぺりぺりしたい!」「ぺりぺりする!」

とペットボトルを見るや否や、くれくれとせがんできます。ペットボトルの種類によってはうまく剥がせるものから、剥がせないものまでありますが、手軽に満足感を得られるようです。

ちいかわデザインのペットボトルラベルが結構出ていたので、その時は3本(ちいかわ・ハチワレ・うさぎ)まとめて買ったりしたら、なかなか大変でした。ラベルを剥がした後はペットボトルをぶん投げます。「それ、炭酸だから」と取り上げると泣きます!!!!

そう、いまイヤイヤ期、真っ最中です。

今では郵便や宅配便が届いたら、自分の物だと思って「(長男)の!」と言い、宛名ラベルを剥がし、中身を空けるまで止まりません。私の買った古本が、自分の絵本じゃないと気が付くと、興味がなくなり、やはりぶん投げます。

子供は意外と素朴なもので遊ぶほうが気に入ったりすると、以前聞いたことがあります。お店に売っている凝ったシールもいいですが、身の回りにあるものを使って「ぺりっ」とする、親の工夫が大事だと実感しました。今はなんでも凝りすぎたりする時代なので、素朴な自然体で育ってほしいという願いもあります。

法然上人の教えも素朴で温かいものだと、ふと思い出しました。SNSのキラキラ子育てに悩まないで、なるべく肩の荷を下ろし、素朴に温かく子育てに取り組んでいきたいです。共生合掌。

佛教大学にて購入したマスコットキャラ「ぶったん」のシール。壁から剥がされバラバラになっていたところを救出しました。

この記事を書いた人

赤坂 めーしょー

1990年/福島県伊達郡桑折町生まれ。
大正大学大学院修士課程(浄土学)修了。
福島教区中央組無能寺の弟子。開山は無能上人。
創刊当初の雑誌『浄土』に関心を持つ。
ラーメン好き。ヒラメクカエル。