【2024/12月号】村田編集長の『浄土』編集前記【NO.989】

【高僧名号展】

令和6年12月17日から22日まで、東京銀座のセントラルミュージアム銀座で浄土宗主催の「浄土宗開宗850年慶讃事業 浄土宗高僧名号展」が開催されます。名号とは「南無阿弥陀仏」のことで、「あむあみだぶつ」と読むお念仏のことです。そしてこの名号展は浄土宗の高僧、主に浄土宗の総本山や大本山の一番偉いお坊さんになった僧侶が多いようですが、そうした高僧と呼ばれる僧侶が揮毫した名号だけの展覧会です。

【鎌倉時代の高僧】

今回は86幅の名号が一堂に展示されるそうです。一番古いのは鎌倉時代の高僧、京都の大本山清浄華院を開かれた向阿上人の書かれた「南無阿弥陀仏」だそうです。700年も前のお坊さんか書いた字が展示できる状態で今も残っているのですから、考えれば相当凄いことです。

【通巻1000号】

今回の名号展への出陳は全国の浄土宗寺院に呼びけたそうです。もちろん、呼びかけられたからと言って、それに呼応する寺院ばかりではないので、浄土宗を開かれた法然上人や上人に近いお弟子さん達の名号が今日まで大切に残されているお寺もあるかもしれません。『浄土』の取材で訪れた寺院には多くの古いものが残っているという話も聞きます。今回の名号展をきっかけに更なる貴重な名号が勢揃いする名号展が開かれるかもしれません。

この記事を書いた人

村田洋一

Webサイト「じょーど」&月刊誌「浄土」編集長
令和3年に63歳を迎えた増上寺の塔頭寺院の住職です。
もともとサラリーマンの家庭に生まれ、社会人になってから親戚のお寺を継ぎました。
12年間男性月刊誌の編集部で雑誌作りの仕事をしていました。
退職後お寺に専念しますが、お寺関連の編集や出版に携わり続けています。
高齢者の仲間入りをしても好奇心旺盛なお坊さんです。