Googleで「法然」と検索すると、どういう順番でヒットするでしょうか?
1位、Wikipedia
2位、総本山知恩院
3位、葬儀社
2021年6月現在、このような結果がでます。
Wikipediaは圧倒的な訪問者がいるのでこの順位は妥当ですが、驚くべきはやはり3位に葬儀社が入っていることです。
浄土宗には寺院が約7000、教師が約1万人いるといわれますが、WEB上においてはWikipediaと葬儀社が法然上人について多くのユーザーに伝えているのが実情なのです。
この状況マズくないですか??
いくら皆さんの自坊で正しく教えを説いていても、現代は若者を中心にWEBから情報を得ます。
例えばWikipediaや葬儀社の情報が間違っていたとしてもそれが浄土宗の教え、法然像として流布していくわけです。
やっぱりマズいですよね??
そこで当会では法然上人について知りたい方々のための新たなプラットフォームを作ろうと決心しました。
昭和10年創設の「法然上人鑽仰会」なのですから初心に戻り、令和の新時代にWEBを通じ法然上人の御教えを正しく且つ、新しい形でお伝えしていきたいと考えています。コロナ禍の混沌とした時代にやはり法然上人の御教えが必要ですよね??
ちなみに当会設立メンバーの一人である中村弁康師は、会設立前年の昭和9年に次のような言葉を残されています。
少なくとも今まで、宗祖の社会的紹介を忘れていた浄土宗の如きは、他の教団よりもその点において一歩遅れている丈に、一層の馬力を必要とするのである。
今の実情を見透かされているようで、身が引き締まる思いにかられます。
現代の“社会的紹介ツール”はやはりWEBということになるのです。
さて、7月にアップされたこのWEBサイトは実はまだ未完成。
むしろ時代のニーズに合わせ変化を続けたいと思っていますので未完成のままでいたいとも思っています。
船出に際しては第一の柱として、当会が創設から発行し続けてきた月刊『浄土』約950冊をPDF化し、全アーカイブを公開しました(リンク)
創設メンバーである真野正順、中村弁康、佐藤賢順、佐藤密雄、佐藤良智各師が浄土宗の行く末を憂い設立に至った篤き想いをまずは感じ取っていただければ幸いです。
なお、戦前・戦後に発行された『浄土』からは当時の思想がありありと伝わってきます。時代を知る貴重な資料としてもご活用ください。
今後は『浄土』のバックナンバーを深堀する「浄土をディグル!」ほか、Discordというプラットフォームを使ったWEBコミュニティを設置予定。
ゆくゆくは法然上人に関するデータ集積フォーム「法然上人資料室(仮)」や、『浄土』にもご寄稿いただいた近代の名僧と謳われる先生方の著作をデータ化し保存・公開が出来ればと考えています。
浄土宗開宗850年を3年後に控えますが、浄土宗僧侶が志すべきことは、
脈々と伝わる教え、先人が築いた教学の軌跡や熱量を今一度拝受し(過去)
各々がよくよく租借し肚に落とし込み自らの言葉で今を生きる人々に伝えていく(現在)
それをまた後世に伝えていく(未来)
という850年続いてきた“あたりまえ”を“あたりまえ”のこととしてし続けることだと考えます。
そして当会ではWEBを通じそのお手伝いが出来ればと思うのです。
編集部の士気は馬力ブンブン最高潮なのですが、なにぶん少人数の浄土宗僧侶有志で運営しているサイトですので、進捗に関しては気長にお付き合いいただければ幸いです。
皆さまと作り上げる法然上人のプラットフォーム、ご意見もどしどし受け付けます!
どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。