【2023/6月号】村田編集長の『浄土』編集前記【NO.974】


今号のみどころ

【観智院と真生同盟】

浄土宗が江戸初期に大いに興隆したのは徳川家康と増上寺住職の観智国師の出会いがあり、増上寺が徳川家の菩提寺となったからでした。いわば観智国師は浄土宗の中興の祖。その観智国師が晩年に隠棲した誠諦庵が観智院と寺名を変え今日に至っています。その観智院に昭和になって土屋観道上人が晋山、そして現在は24時間念仏やオンラインでの世界同時念仏会を開く真生同盟の拠点となっています。寺院紀行で観智院を訪れました。

【善光寺のおびんずる様】

盗難事件で注目された信州善光寺のシンボル、おびんずる様。事件発覚時、善光寺の事務局はてんやわんやだったそうです。そこの法務局長でもある淵之坊住職の若麻績亨則師に原稿を寄せていただきました。事件の経緯もさることながら、おびんずる様にまつわる行事や慣習をご紹介いただいています。「みなさん、おびんずる様の触わると病が治る」のはなぜだと思いますか。

【仏教おススメ書籍】

新企画の「仏教おススメ書籍」をお届けします。おススメ書籍を選んでもらうのは東京幡ヶ谷の清岸寺住職、原口弘之師。編集部から、若手僧侶に読んでもらいたい本、という切り口でお願いしました。不定期連載でページ数も時に応じてお届けします。原口師は自坊で若手僧侶とともに勉強会を開催するなど、日頃よりアンテナを張りながら、研鑽を積まれています。どんな本が紹介されるのか楽しみです。

【講演会と連動で『選択集』を】

こちらも新連載の「『選択本願念仏集』講義余話」。当会主催で阿満利麿先生の読書会を5月から開催しています。阿満先生主催の連続無窮の会の皆様、以前に阿満先生を講師に迎えられた仏教鑽仰会の皆様、当会会員、そして看板を見てご参加いただいた一般の方々、と多くの方にお越しいただきました。この講演会と連動して『選択本願念仏集』に込めた法然上人の思いを届ける企画となっています。全18回のロングランです。

この記事を書いた人

村田洋一

Webサイト「じょーど」&月刊誌「浄土」編集長
令和3年に63歳を迎えた増上寺の塔頭寺院の住職です。
もともとサラリーマンの家庭に生まれ、社会人になってから親戚のお寺を継ぎました。
12年間男性月刊誌の編集部で雑誌作りの仕事をしていました。
退職後お寺に専念しますが、お寺関連の編集や出版に携わり続けています。
高齢者の仲間入りをしても好奇心旺盛なお坊さんです。